日本エレクトロヒートセンター

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技術文献

技術文献

【機関誌「エレクトロヒート」記事】

機関誌のご案内

EH_No253【特集】課題を解決する業務用電化厨房
牧 野 真 也(まきの しんや)タニコー株式会社 開発本部 商品開発部
要約 弊社では、約 3000 種類の規格製品を製造販売している。また、規格製品のみならず、特注オーダー 製品の製造販売も積極的に行い、単品販売から厨房全体の提案まで行っている。町の定食屋さんから学 校給食センターのような大型施設まで規模を問わず、様々な業種業態のお客様を抱え、多様化するお客 様のニーズに対応すべく、常日頃から数多くの研究開発を行っている。さらにコロナ禍を経て外食産業 では近年、フードデリバリーやテイクアウトの需要も伸び、定着してきており、それに応じた新たな要 求も増えてきている。本稿ではある顧客要望をきっかけに生まれた新たな調理機器を紹介する。
 
EH_No251【特集】工業炉(熱処理)の電化について考える
①カーボンニュートラルに向けた工業炉の 電化への想いと取り組みについて
渡 邉 規 寛(わたなべ のりひろ)一般社団法人 日本エレクトロヒートセンター 企画部 部長
要約 カーボンニュートラルの切り札とされている電化。しなしながら産業分野の電化に向けたプロセ スは、長く険しい山登りとなっているのが実情。そこで改めて産業電化とカーボンニュートラルとの関 係性・役割、産業電化における課題整理(昨年度の調査結果)、更なる取り組みなどについて紹介し、工 業炉(熱処理含む)における、電化普及の一助として活用頂けるよう、本特集を企画しました。
②カーボンニュートラルに向けた工業炉の 電化状況など調査結果
清 水 耕 平(しみず こうへい) 株式会社富士経済 エネルギーシステム事業部 課長
八 浪 佑 亮(やつなみ ゆうすけ)株式会社富士経済 エネルギーシステム事業部 AD
要約 カーボンニュートラルに向けた工業炉の電化について、電化事例および、関係者ヒアリングによ る工業炉種別の現状と電化の方向性を整理した。電化事例調査では、鋳造向けの誘導溶解炉やアルミ溶 解炉の保持炉や溶解保持炉、表面熱処理炉の真空浸炭炉や光輝焼鈍誘導加熱の電化事例が主に公表され ていた。関係者ヒアリングを元にした電化の方向性では、鉄鋼溶解炉、アルミ溶解炉、鉄鋼加熱炉、一 般熱処理炉、表面熱処理炉を対象に調査し、アルミ溶解炉、アルミ熱処理炉、浸炭炉にて電化の進展が 有望視されるとの結論を得た。また水素転換の可能性について、コストおよび品質の課題が明確となった。
③カーボンニュートラルに向けた工業炉の 電化について
加 納 利 行 (かのう としゆき)  富士電機株式会社
高 橋 良 治 (たかはし りょうじ)一般社団法人日本工業炉協会
加 藤 健 次 (かとう けんじ)   一般社団法人日本工業炉協会
要約 工業炉は、鉄鋼、自動車、電気、電子、窯業、化学 工業等の多くの産業分野において、各種の原材料を加 熱、熱処理するために必須な設備である 1)。わが国の 工業炉の消費エネルギーは、国内全体の約 15%を占 めており、2050 年のカーボンニュートラル社会構築 を目指す上で、工業炉の取り組みは極めて重要である。本報では、工業炉のカーボンニュート ラルに向けた電化のポテンシャル及び今後の課題につ いて述べる。
➃カーボンニュートラルに向けた工業炉の 電化事例
山 口   剛 (やまぐち たけし)三建産業株式会社 営業本部 本社営業部 部長
要約 工業炉が消費するエネルギーは、日本全体のエネルギー消費量の 15%に相当し、その温室効果ガ ス排出量は、日本全体の 12%を占めていると見積られている。三建産業株式会社は、2022 年度中期経 営計画に「競争力ある脱炭素工業炉メーカーになる」という柱を掲げ、2030 年までに当社の工業炉か ら排出される二酸化炭素を 50%削減するという目標とし、工業炉のエネルギー削減・電化推進・燃料転 換・老朽化更新に積極的に取り組んでいる。当社が設計、製造した抵抗加熱式工業炉には、台車移動式、 炉体移動式、回転炉床式などがあり、主に素形材の加熱および熱処理に使用されている。本稿では、当 社が現在まで納入してきた抵抗加熱式工業炉の概要、採用実績など紹介する。
⑤工業炉・熱処理分野の電化実現に向けた 赤外線加熱による試験結果
倉 田 征 治 (くらた せいじ)メトロ電気工業株式会社 技術開発課 課長
要約 経済産業省では工業炉のカーボンニュートラル化推進のため、アンモニアや水素による燃焼や、 電磁誘導などを活用した電化を推進している。しかしながら赤外線加熱活用は検討されていない。クリー ンで、取り扱いも容易、高効率、低温温度帯では活用されている赤外線加熱技術が検討されていない理 由は、現行電化できていない工業炉はより高エネルギーが必要であり、従来の赤外線加熱技術では出力 が不足していたためである。また電気を使って発熱し、そこからの熱放射を利用する赤外線加熱技術は、 たとえ実現できても効率が悪いとも考えられていたことも理由にあげられる。しかしながら、昨今の赤 外線技術はより高出力となっており、また放射加熱を工夫することによって高効率化させ、省エネ性も 実現させることが出来る。本研究では、あらたな赤外線技術によって従来加熱できなかった温度領域に ついて試験し、そこから得られた知見を概説する。
 
EH_No248【特集】第17回エレクトロヒートシンポジウム
①廃棄物処理へのマイクロ波加熱技術適用の提案

神 岡   純 (かみおか じゅん)

三菱電機株式会社 情報技術総合研究所 マイクロ波技術部

要約 現在廃棄プラスチック処理が世界的な問題となっている。プラスチックのリサイクルの大部分を占めるサーマルリサイクルにより年間 1600 万トンの CO2 が排出されている。カーボンニュートラルの実現に向けて、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクル等により廃棄プラスチックを再資源化することが望まれている。そのため、プラスチックを低コストにリサイクルする技術や、これまで処理が難 しいとされてきたプラスチック材料の分解技術が求められている。マイクロ波加熱は高速・高効率な加 熱方法として注目されている。マイクロ波の位相を制御するマイクロ波制御方式によって局所加熱、均一加熱が実現可能であり、加熱効率をさらに向上させることができる。ここでは、従来のマイクロ波加熱の動向やこれまでに実施してきたマイクロ波制御方式に関する実証実験について紹介する。また、今後マイクロ波加熱をプラスチック処理へ適用することを提案する。

 

②マイクロ波化学の非鉄金属分野への展開

藤 井   知 (ふじい  さとし)豊橋技術科学大学 工学研究科電気電子情報工学系 教授

福 島   潤 (ふくしま じゅん)東北大学 工学研究科応用化学専攻 助教

要約 資源エネルギー庁によると日本全体のエネルギー消費では産業部門は 46%を占め、さらに、その 産業部門の約 80%が素材系製造業、つまり、化学・鉄鋼が占め、莫大なエネルギーを使っていることが指摘されている。しかしながら、これらの素材産業は社会を支えている基幹産業である。そのことから、日本学術振興会 R024 委員会では、産学協力しながら、マイクロ波化学による材料プロセスを社会実装し、大幅な省エネルギー・CO2 削減を目標とした活動を行っている。今回、豊橋技科大・藤井からは、金属酸化物の還元技術、東北大・福島から、機能性セラミック等のマイクロ波合成における研究成果について紹介する。

 
EH_No244【特集】クリーンエネルギー開発・活用
【特別寄稿】①長距離ケーブル連系における高調波共振

浅 野 雅 彦 (あさの まさひこ)

日新電機株式会社 静止機器事業部 産業・海外技術部 主幹

要約 これからは、再生可能エネルギーの大量導入が進み、大規模な太陽光、風力、洋上風力発電所等 が今後増えてくるものと予想される。これらの発電所は連系する既存の電力供給設備(電力会社の変電 所等)から離れた場所に設置されることが多く、保守が容易で景観上の問題も少ない長距離地中ケーブ ル送電を採用するケースがある。一方、電力系統内に高調波が存在している場合や発電システム内のイ ンバータから高調波が発生していると、長距離地中ケーブルの対地静電容量と系統リアクタンスの共振 特性によってはこれらの高調波が拡大する可能性がある。本稿では長距離地中ケーブル送電系統モデル により、電力系統内に存在する高調波を対象にした共振拡大現象と共振を抑制する対策装置(高調波フィ ルタ)について解説する。
 

②誘電加熱の利用拡大に向けて

山 本 泰 司 (やまもと やすじ)山本ビニター株式会社 代表取締役社長

井 口 健 治 (いぐち  けんじ)山本ビニター株式会社 商品開発センター 課長

塩 田 智 大 (しおた ともひろ)山本ビニター株式会社 商品開発センター 主任

要約 世界的なカーボンニュートラルの流れの中で、誘電加熱は対象物自体を発熱させるため、高効率 化への寄与が大きく期待されている。誘電加熱の利用拡大のためには、誘電加熱装置の「操作が難しい」 「装置が大きい」という課題を解決して、誰でも簡単に操作ができて、どこでも設置できる装置に変えて いく必要がある。その取り組みとして「自動化」「コンパクト化」をおこない、2021 年にそれらに特化 したフラッグシップモデルを市場に投入した。今後、さらなる発展により誘電加熱装置の市場拡大を実 現し、カーボンニュートラルの達成に貢献したい。
 

③2.45 GHz180 kW 産業用マイクロ波連続加熱 装置の紹介

吉 田   睦 (よしだ むつみ)

富士電波工機株式会社

要約 近年 100 kW を超えるマイクロ波加熱装置が製造販売される中、大電力故の諸問題や電磁波漏洩 対策などの敷居が高い産業用連続加熱装置の技術事例を紹介します。
 
EH_No.242第16回エレクトロヒートシンポジウム
C NEUTRALTM 2050 design”〜マイクロ波が実現するカーボンニュートラル〜

塚 原 保 徳 (つかはら やすのり)

マイクロ波化学株式会社 取締役 CS

要約 産業部門もカーボンニュートラルへの対応を迫られる中、再生可能エネルギー由来の電気エネル ギーを活用した電化プロセスがキーテクノロジーとなってくる。その中でもマイクロ波は、直接エネル ギーを物質に伝達し、物質内で熱に転換するため、エネルギー効率・大型化において優位と考える。そこで、 当社は昨年 5 月に“C NEUTRALTM 2050 design”といった構想を策定した。石油化学・鉱山開発を重 点分野とし、マイクロ波プロセスを次世代化学プラントのグローバルスタンダードにすべく、より一層 事業を加速させる。
 
②マイクロ波化学研究の最前線

和 田 雄 二 (わだ ゆうじ)

東京工業大学 科学技術創成研究院 特任教授・マイクロ波化学株式会社 基盤室長

間 瀬 暢 之 (ませ のぶゆき)

静岡大学 グリーン科学技術研究所 教授

西 岡 将 輝 (にしおか まさてる)産業技術総合研究所 上級主任研究員

椿 俊 太 郎 (つばき しゅんたろう)九州大学大学院 農学研究院 准教

要約 様々な電化産業への応用が期待されるマイクロ波化学。近年、マイクロ波による化学反応への効 果が明らかにされつつある。本稿では、日本学術振興会 産学協力委員会 電磁波励起反応場 R024 委員 会のアカデミア委員により、マイクロ波化学研究がどのように進展しているのか、その最前線について、 マイクロ波による化学反応促進効果の理解と、その化学産業へ応用について紹介する。

 

EH_No.218マイクロ波の化学プラントの発振器需要(第12回エレクトロヒートシンポジウム)
①マイクロ波の化学プラントの発振器需要

塚原 保徳

マイクロ波化学株式会社 取締役CSO、大阪大学大学院工学研究科 特任准教授

 要約 第3 のエネルギー伝達方法MTT(マイクロ波伝送技術)により化学プラントのデザインを革新させ、マイクロ波プロセスが化学プラントのグローバルスタンダードになりえると考える。筆者らは、これまでマイクロ波化学プロセスを実証すべく、化学プラントを建設してきたが、“マイクロ波発振器”の大出力化が急務になってきたので、紹介する。

 

EH_No.215(マイクロ波加熱・高周波誘電加熱の最新動向)
①RF・マイクロ波加熱と材料プロセシングの現状と将来展望

二川 佳央

国士舘大学

教授 理工学部長

 要約 電磁波エネルギーによる加熱やプロセシング技術は、近年急速な発達を遂げている。高周波・マイクロ波を用いた電磁波エネルギー応用技術は、クリーンで高効率であることに加えて、選択性が高いため、対象物への効率的なエネルギー照射が可能であり、低炭素化社会に向けた優れた技術として大きな注目を浴びている。この技術は、設定温度までの到達時間の短縮化、無駄のない加工が可能で、食品加熱・加工はもとより、絶縁性の高い高分子材料から導電性の高い金属材料に対する加工、粉体材料の加熱加工、セラミックス材料の高速加熱焼成を含め、あらゆる材料のプロセシングが可能である。(後略)

 

②パワー半導体デバイスを用いたマイクロ波加熱・エネルギー応用技術

堀越 智(ほりこし さとし)

上智大学 理工学部物質生命理工学科 准教授

上智大学 マイクロ波サイエンス研究センター センター長

  最近、マイクロ波加熱やエネルギー利用のマイクロ波源として、パワー半導体デバイスを利用したマイクロ波半導体発振器がマグネトロン発振器からの代替え装置として世界中で注目されている。それに伴い、その応用に対する基礎研究も盛んに行われている。すでに、自動車、プラズマ、医療、環境保全、エネルギー、化学・材料、バイオの分野では、様々な新しいアイデアが報告されており今後ますます注目が集まる分野といえる。本稿では、半導体発振器の特徴や最近の性能状況、半導体発振器の利点を生かした応用例、今後の市場動向について解説する。

 

③マグネトロン式・半導体式ハイブリッドマイクロ波電源の開発

吉田 睦(よしだ むつみ)

富士電波工機株式会社

取締役技術部長

  近年マイクロ波を利用した化学反応プロセスの研究が、無機・有機反応プロセス、プラズマプロセス、触媒化学、環境化学分野等で盛んに行われている。これらの用途ではただ単にマイクロ波を使って対象物を加熱するだけでは無く、マイクロ波エネルギーを精密に制御する事が必要で有り、その特性を良く理解した上で利用する事が求められる。これらの事例でよく用いられるマイクロ波帯周波数は2.45 GHz 等が一般的で、半導体式は特性は良いが高価で低出力、マグネトロン式は安価で高出力である。今回はマグネトロン式・半導体式に加え双方の特徴を備え安価で制御性の良い、ハイブリッド式マイクロ波電源(注入同期型マイクロ波電源)を開発し、データを取得したので報告する。(後略)

 

④マイクロ波の化学プラントへの適用

塚原 保徳(つかはら やすのり)

マイクロ波化学株式会社 取締役CSO

大阪大学大学院工学研究科 特任准教授

  第3 のエネルギー伝達手段であるマイクロ波により、100 年以上も変わることがなかった化学産業にイノベーションを起こし、省エネルギー・高効率・コンパクトなマイクロ波化学プロセスをグローバルスタンダード化する。

 

⑤ロストワックス鋳型マイクロ波乾燥システムの開発~乾燥効率・生産性向上の実現~

千田 憲雄(ちだ のりお)

日本ハイコム株式会社

企画開発事業部 主査

  ロストワックス鋳型を乾燥する場合、鋳型割れを防止する目的で通常温度21 ~ 25℃、湿度40~ 60%前後に保った恒温恒湿の乾燥室で一層あたり3 ~ 8 時間かけている。これを6 ~ 8 回繰り返し、鋳型とするのが一般的である。この基本技術は数10 年間変わっておらず、国内ならびに世界各国の精密鋳造業界で採用されている。我々はマイクロ波を用いてロストワックス鋳型を短時間で乾燥する技術を開発し、ロストワックス鋳型乾燥庫を2011 年に発表した。その後、複数のマイクロ波発生ユニットを機能毎に組合せ、鋳型表面の温度制御ソフトを新たに開発した。さらに、マイクロ波乾燥庫に強制循環ファンと局所ノズルを組込み、最適化を図った。これらにより、穴や孔がある複雑な形状を有する実操業の鋳型でも30 ~ 45 分程度で乾燥できるロストワックス鋳型乾燥庫の開発に成功し、現在、国内、台湾、北アメリカで使用されている。

 

実験検証を踏まえた生産装置の開発・導入~新型マイクロ波実験装置の紹介~

花井 辰矩(はない たつのり)

ミクロ電子株式会社

営業部 営業技術G

  マイクロ波は、ゴム、セラミックス、食品、医薬品等、様々な分野で利用が広がっており、弊社にも多数の引き合いがある。ただ、興味を持ち新規でマイクロ波加熱装置を検討する企業の中には、マイクロ波の有効性や問題点、コストといった疑問によって導入を躊躇されるケースが多々ある。そこで、弊社では所有しているマイクロ波実験装置を使用して実際にマイクロ波実験を実施し、マイクロ波を導入したい案件について有効か検証しつつ、どのような装置にすべきかスケールアップを含めて提案している。本稿では現在弊社で使用可能なマイクロ波実験装置の他、実験から生産装置にスケールアップした事例や、新しく開発中の装置についても紹介する。

 

⑦高周波、マイクロ波による誘電加熱の応用例と応用装置について

山本 泰司(やまもと やすし)

山本ビニター株式会社 代表取締役社長

  高周波やマイクロ波を使った誘電加熱が工業加熱分野に利用されて既に80 年以上が経過している。熱伝導率が悪く、容量や厚みの大きい被加熱物を急速に加熱できる熱源としては、誘電加熱に勝る熱源はないといえる。主な利用分野は、プラスチック、木材、食品、ゴム、セラミックスなどの加熱や乾燥が中心であるが、医療用としても古くから利用されている。周波数の違いにより加熱効果や加熱分布が異なり、被加熱物の種類や形状、また加熱目的などにより、周波数が選択されている。ここでは誘電加熱の最近の応用例と応用装置について紹介する。

 

⑧高周波誘電加熱を利用した応用事例について

吉田 睦(よしだ むつみ)

富士電波工機株式会社 取締役技術部長

  高周波誘電加熱は電気部品をはじめ、食品業界・自動車業界・建材分野、医薬品分野、窯業分野、セラミック関連など多くの業界・分野で利用されている。これらはCO2 を排出せず、作業環境を悪化させないクリーンなエネルギーであるが、近年、生産工程での電気使用量の見直し機運の高まりから、高周波誘電加熱の特長である“対象物自身が自己発熱する高い加熱効率”が再度注目され、その動きは多くの業界・工程で起こっている。弊社ではお客様の『こんな事が出来ないか』という声を元に、装置を開発・提供し続けてきた。今回はその中でも高周波誘電加熱の基礎と応用例を紹介する。

 

 EH_No.208( 特別寄稿)
①GaN増幅器モジュールを加熱源とする産業用マイクロ波発振器

弥政 和宏、塩出 剛士、山中 宏治、福本 宏
三菱電機株式会社

石崎 俊雄

龍谷大学 教授

塚原 保徳

マイクロ波化学株式会社 取締役 CSO 博士(理学)

和田 雄二

東京工業大学 教授

  三菱電機株式会社、東京工業大学、龍谷大学、マイクロ波化学株式会社の4 事業者は、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)からの受託事業を受け、産業用マイクロ波加熱装置として、2.45 GHz にて出力電力500 W のGaN(Gallium Nitride;窒化ガリウム)増幅器モジュール、および本モジュールを加熱源として接続可能な小型半導体加熱実証炉を開発した。本報告では、開発したGaN 増幅器モジュール、小型半導体加熱実証炉について紹介する。あわせて、その技術的な概要や、半導体方式の特徴、適用した場合のメリット等について述べる。

 

EH_No.207( 特別寄稿)
①マイクロ波化学のプロセス技術と事業展開

塚原 保徳

マイクロ波化学株式会社 取締役CSO 博士(理学)

渡辺 久夫

マイクロ波化学株式会社 エンジニアリング部部長

  第3のエネルギー伝達方法MTT(マイクロ波伝送技術)により化学プラントのデザインを革新さ せる。1980年代からマイクロ波の化学プロセスへの優位性が謳われ続けてきたが、2016年現在、未だ 産業化されていない。著者グループは、ベンチャーを興し、研究開発から、実証、事業化までを一気通 貫で行うことにより、マイクロ波プロセスの産業化を目指しているので、紹介する。

 

EH_No.204(連載講座)
①マイクロ波加熱技術の歴史

佐々木 英男

ミクロ電子株式会社 営業部長

 高周波による誘電体の加熱は、戦前から産業用装置 として製作されていた様である。 マイクロ波による加熱は、1945年、米国レイセオ ン社の技術者パーシー・スペンサー氏が、レーダー用 マグネトロンの開発中に偶然に発見され、それから2 年後の1947年にレイセオン社は最初の電子レン ジ:レーダーレンジ:を販売した。今では極一般的に 成っている家庭用調理器;電子レンジの第1号であ る。 ここでは、30余年、産業用マイクロ波加熱装置の 設計、製作に携わってきた私の経験、体験をもとに、 工業界に於けるマイクロ波加熱の歴史と今後の展望に ついて述べます。 

 

EH_No.200(特集:エレクトロヒートの未来を展望する)
①電磁波加熱技術の未来
二 川 佳 央

国士舘大学 教授 理工学部長
一般社団法人 日本エレクトロヒートセンター 特別会員

 
 EH_No.198(特集:部品・製品への熱処理技術)
①マイクロ波加熱による薄膜焼成の紹介

吉田  睦

富士電波工機株式会社

第一機器部 

 戦前から高周波(誘導・誘電・マイクロ波)を中心に電磁波を利用した各種装置は広く利用され てきた。これらの高周波技術は、電気部品をはじめ食品、自動車、建材、医薬品、セラミックス製造な ど多くの分野で利用されている。最近では薄膜の加熱・乾燥・焼成を目的に、マイクロ波を利用とした 応用装置が開発されている。これらの装置は最新の大電力半導体式マイクロ波電源とアプリケータ技術 (シングルモード・マルチモードキャビティー)が融合し、主に金属を含む、有機・無機粉末の焼結・反 応・合成・不純物除去をはじめ、特定のラジカル制御を狙ったプラズマプロセスやナノ粒子製造、新素 材開発等で使用され始めている。今回はマイクロ波加熱の基礎知識と、被加熱物の自己発熱・加熱効率 の特長を活かした例として、マイクロ波による薄膜焼成を紹介する。

 

②マイクロ波加硫缶の開発

 佐々木 英男

ミクロ電子株式会社

取締役営業部長

 ゴムローラ、チューブ、ホース、電線、シートなどの連続押出が出来ないゴム製品は、一般的に、 加硫缶(第一種圧力容器)を用いて製造されている。ゴム加硫は、架橋反応に必要な温度と反応完了ま での時間が必要であり、加硫缶を用いた場合、数時間から1日規模の時間が必要になっている。省エネ がさけばれる昨今、マイクロ波エネルギーを併用することにより時間短縮を図ることを目的としてマイ クロ波加硫缶の開発を実施した。

 

EH_No.193(連載講座:電気加熱技術の基礎) 
①マイクロ波・高周波誘電加熱の基礎と応用

平山 鋼太郎

一般社団法人日本エレクトロヒートセンター 

電磁波加熱技術部会 部会長
第一高周波工業株式会社

代表取締役 社長

 

 

EH_No.175(特集:マイクロ波加熱システム)
マイクロ波加熱の原理と応用装置の紹介

山田 吉昭

ミクロ電子株式会社
営業部

 本文ではマイクロ波加熱をテーマとして、マイクロ波加熱の原理を簡単に説明し、その原理を応用した加熱装置の基本構造を紹介する。マイクロ波は通信やレーダーなどの情報伝達手段として長く利用されているが、加熱分野での利用も以外に古く、1945年にレーダー用マグネトロンの試験中に試験機の上に置いたキャンディが溶けたことをヒントに電子レンジが発明されたと言われている。現在では食品加熱用の電子レンジを始めとして、多くの工業分野でも様々なタイプのマイクロ波加熱装置が稼働している。ミクロ電子による各種マイクロ波加熱装置の実績を例にとり、代表的な構造例も併せて紹介する。
 
マイクロ波加熱を利用した農商工連携等の取組み

岡村 邦康

西光エンジニアリング株式会社
代表取締役

 弊社は創業以来ニッチ業界向け特殊乾燥機を設計・製作・販売してきたが、現状の熱風や冷風乾燥では限界と思っていた「乾燥品の品質向上」と「ランニングコストの低減」を「マイクロ波加熱を併用する乾燥方法」により改善することができた。本稿では、中小企業を支援する制度である経営革新計画の承認を受けてマイクロ波加熱を併用する乾燥技術を習得した後、新連携事業計画及び農商工連携事業計画の認定、更に系列企業㈱沖友の地域産業資源活用事業計画の認定を受け且つこれらの制度を一元化して活用し、マイクロ波加熱を併用する紙管・帆立貝柱・モズク乾燥の専用機を実用化し、九州工業大学との共同研究によるマイクロ波減圧乾燥機の実用化に至った迄を述べる。
 

半導体式マイクロ波電源とアプリケータ

(半導体式マイクロ波電915MHz,2.45GHz,5.8GHz,10GHz)

吉田 睦

富士電波工機株式会社
第一機器部 技術課 課長

弊社では半導体式マイクロ波電源(915MHz、2.45GHz、5.8GHz、10GHz)とアプリケータの製品化を行った。本稿では、半導体式マイクロ波電源とアプリケータ及び応用事例を紹介する。
従来の工業用マイクロ波装置では、電子管式(マグネトロン、クライストロン、ジャイラトロン)の発振素子を用いた電源が主に使われてきた。しかし近年各種研究が進むにつれ研究・開発部門向けに、半導体式マイクロ波電源が盛んに用いられている。半導体式マイクロ波電源は周波数や出力を任意可変し、変調を加える事が出来る。電源の主な用途としては、リチウムイオン電池やコンデンサ材料・太陽電池・燃料電池・創薬・医療・金属粉体・各種ガラス・セラミックス化合物・フェライト・SiC・カーボン・イットリアジルコニウム・各種ナノ粒子・各種新素材開発用等の加熱・乾燥・反応・化学合成・焼成・プラズマプロセスに用いられている。
アプリケータは磁界や電界を制御する事により、マイクロ波誘導加熱(IH加熱)やマイクロ波誘電加熱(DH加熱)が出来る。
 
高周波誘電加熱による食品解凍の実例

山本 泰司

山本ビニター株式会社
代表取締役

高周波やマイクロ波による誘電加熱を利用した解凍は、食品の自己発熱による内部加熱であり、短時間に品温を高めることができるため急速解凍が可能である。しかし熱暴走によるホットスポットを発生させないように注意が必要である。マイクロ波は、解凍における熱暴走のリスクが高く、日本では主に高周波が利用されている。氷点より少し低い温度帯で、部分的にまだ氷の残る半解凍状態にすることを、完全解凍と区別してテンパリングと呼んでいる。高周波テンパリング装置として、少量生産用のバッチ式小型装置と、大量生産用の連続式大型装置の2種類が普及している。実例として、鶏肉の解凍、骨付き鶏肉の解凍、牛肉の解凍を紹介する。