エレクトロヒートNo.189

 

  【巻頭言】
  北海道のヒートポンプ事情
 
 

松原 宏樹

一般社団法人日本エレクトロヒートセンター 理事
北海道電力株式会社 営業部部長

 
   

 

 

【特集】農業分野におけるエレクトロヒートシステム   

 
  施設園芸におけるヒートポンプの利用技術
 
 

川嶋 浩樹

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構

近畿中国四国研究センター 主任研究員

 

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  中標津町における酪農・農業へのヒートポンプ活用の取り組み
 
 

寺端 祐介

合同会社 北海道新エネルギー事業組合 代表社員組合長

 

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  農業生産へのヒートポンプ技術の導入
 
 

西山  満

株式会社大気社 営業統括部 新産業技術部 シニアエンジニア

 

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  ハウス栽培でのハイブリッドシステムによるヒートポンプ利用
 
 

馬場  勝

ネポン株式会社 技術顧問

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  冷温水製造機能をもつ施設園芸用ヒートポンプの開発
 
 

守谷 栄樹

中部電力株式会社 エネルギー応用研究所 バイオ技術グループ

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  熱回収型除湿換気システム「どくとるドライ」のご紹介
 
 

黒川 和哉

株式会社イーズ 営業本部長

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【連載講座】

  電気加熱技術の基礎(第1回目)

 
   電気加熱の概要と期待
 
 

天川 正士

一般社団法人日本エレクトロヒートセンター

技術専門委員会 委員長
一般財団法人電力中央研究所 

電力技術研究所 高エネルギー領域リーダー

 

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    熱回収技術とヒートポンプ  (第1回目)
 
   熱回収とヒートポンプへの期待
 
 

井場  功

一般社団法人日本エレクトロヒートセンター

ヒートポンプ技術部会 前部会長
東芝キヤリア株式会社 システム技術部 主幹

 

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   ヒートポンプ給湯Q&A
 
 

杉村 允生

株式会社Q研技術士事務所 

代表取締役 

 

 

 

 
 

日本総合研究所東京本社 社員食堂における

アイホーのオール電化厨房について

 
 

神戸 貴史

株式会社アイホー 埼玉営業所 所長

 

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   【特別寄稿】
 
  聖隷三方原病院ESCO事業における省エネ実績の検証
 
 

大野 利幸

社会福祉法人 聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院

事務部 施設課 係長

 

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   【新規会員紹介】
 
  株式会社 神戸製鋼所
三菱UFJリース株式会社
一般社団法人 日本工作機械工業会
一般社団法人 新調理システム推進協会
伊藤工機株式会社
株式会社 試作サポーター四日市
 
 

 

 

 

 

   【寄稿】
 
  -物の見方、考え方- 経営に生かす仏教哲学
 
 

青木 伸雄

 

 

 

 

 (以下概要)

 

   
 
  施設園芸におけるヒートポンプの利用技術
 
 

川嶋 浩樹

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構

近畿中国四国研究センター 主任研究員

 

  施設園芸における暖房時の省エネルギーの有効な手段として、花き栽培を中心にヒートポンプの導入が進んでいる。バラなどでは、高温期の夜間冷房や除湿に利用され品質・収量の向上が図られている。ヒートポンプは温室環境制御に有効な装置であるが、その利用については発展途上である。一方、湿度環境と作物生育との関係、冷房・除湿による温室環境の最適化など不明な点も多く残されているのが現状である。本稿では、温室における温湿度環境と作物の生育との関係を概略するとともに、施設園芸におけるヒートポンプの利用事例を紹介する。
 

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  中標津町における酪農・農業へのヒートポンプ活用の取り組み
 
 

寺端 祐介

合同会社 北海道新エネルギー事業組合 代表社員組合長

 

  北海道中標津町における酪農・農業へのヒートポンプ活用の取り組みについて、酪農における搾った牛乳の熱を回収し、その熱を搾乳機器などの洗浄湯へ活用するミルクヒートポンプシステム及びヒートポンプを活用した高断熱型ビニールハウスによる水耕栽培の紹介をする。ヒートポンプの活用により省エネ、低コスト、CO2排出量の削減を目指した低炭素システムの紹介を合同会社北海道新エネルギー事業組合の取り組みを通じて紹介する。
 

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  農業生産へのヒートポンプ技術の導入
 
 

西山  満

株式会社大気社 営業統括部 新産業技術部 シニアエンジニア

 

  日本の農業生産では、化石燃料起源の一次エネルギーであるA重油や灯油が多く使用されており、特にハウス栽培の加温熱源はA重油が一般的である。近年はヒートポンプ技術が大幅に向上し、エネルギー利用効率が高まっていることから、ハウス加温の代替技術として、設備費が安価な高効率ヒートポンプ機が導入されている。ヒートポンプを利用することにより、温度設定幅の向上や除湿による病害抑制などによる品質の向上と年間を通した栽培が可能となり、加えてエネルギー消費量やCO2の削減が期待できる。本稿では、高効率なハウス栽培用ヒートポンプ機を導入し、省エネルギーとCO2排出量の削減を図った事例を紹介する。
 

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  ハウス栽培でのハイブリッドシステムによるヒートポンプ利用
 
 

馬場  勝

ネポン株式会社 技術顧問

 

  ハウス栽培へのヒートポンプの導入は、従来のA重油を主体とした燃焼式暖房機と併用するハイブリッドシステムが主体となっている。ハイブリッドシステムでは、最大暖房負荷の概ね半分以下のヒートポンプを導入することで設備費を抑えながら、稼働率を上げて運転経費の節減が可能で、投資効果がより大きくなる。さらには、デフロスト運転による作物の低温障害へのリスクも大幅に低減することができる。ハウス栽培でのヒートポンプには、ハウス環境やハイブリッド運転への対応などが望まれ、すでに専用機も販売されている。今後も、暖房での経費節減効果だけでなく、冷房や除湿などの周年利用や二酸化炭素削減による環境対策として、さらなる普及が期待できる。
 

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  冷温水製造機能をもつ施設園芸用ヒートポンプの開発
 
 

守谷 栄樹

中部電力株式会社 エネルギー応用研究所 バイオ技術グループ

 

  空気熱源式ヒートポンプエアコンの室内外接続冷媒配管の途中に冷媒-水熱交換器を付加するという簡単な改造によって、冷温水製造機能をもつ施設園芸用ヒートポンプ(以下「本システム」という。)を構築することが可能となった。本システムを温室栽培に活用することによって、1台のヒートポンプで夏季は夜間冷房と培地冷却、冬季は暖房と培地加熱が可能となり、栽培作物の地上部と地下部に対して、それぞれ最適の温度条件を設定することが実現できる。さらに、本システムでは空気熱源式ヒートポンプの冬季暖房運転時に問題となるデフロストについても、製造した温水を熱源とすることによって、デフロスト運転時間を従来の半分程度に短縮できる効果を確認した。
 

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  熱回収型除湿換気システム「どくとるドライ」のご紹介
 
 

黒川 和哉

株式会社イーズ 営業本部長

 

  農業用ハウスで発生する病害はそのほとんどが多湿下で発生する。「冬期の除湿がしたい」というハウス農家のニーズに応えるため、外気の絶対湿度が低い冬期に限定した熱回収型の除湿換気システムを開発した。ハウス内の中温多湿空気と外気の低温低湿空気を熱交換しながら換気することで除湿を行うシステムである。また、農業用ハウスでは日射を遮りたくない、栽培面積を減らしたくないという要望もある。ここではその要望に応えたシステムである「どくとるドライ」の概要とその効果について紹介する。
 

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電気加熱の概要と期待 

 
 

天川 正士

一般社団法人日本エレクトロヒートセンター

技術専門委員会 委員長
一般財団法人電力中央研究所 

電力技術研究所 高エネルギー領域リーダー

 

  火に始まる人類の熱利用の歴史は産業革命の時代に劇的に変化し、今日の豊かな社会を築く礎となった。特に電気エネルギーを効率的に活用した加熱であるエレクトロヒートは、燃焼式では不可能な高温への対応や、省エネルギー、品質の向上、生産性の向上など、これからの生産現場に要求される魅力的な可能性を秘めている。これらエレクトロヒートの基礎理論から事例までを加熱方式別に全6回シリーズで解説する。
 

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  熱回収とヒートポンプへの期待
 
 

井場  功

一般社団法人日本エレクトロヒートセンター

ヒートポンプ技術部会 前部会長
東芝キヤリア株式会社 システム技術部 主幹

 

  ヒートポンプは空気や水を熱源として高い効率で冷熱・温熱を供給できる優れたシステムであり、既に民生用の分野ではエアコン、エコキュート等、省エネ生活に不可欠な製品となってきている。一方産業分野では、熱源機本体はもとより周辺機器の選定が重要で、十分なエンジニアリングが求められる。本稿では熱交換器に着目してヒートポンプの熱回収技術について全6 回シリーズで解説する。
 

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  日本総合研究所東京本社 社員食堂における

アイホーのオール電化厨房について

 
 

神戸 貴史

株式会社アイホー 埼玉営業所 所長

 

  家庭用でIH クッキングヒーターの普及が進むなか、業務用でも電化厨房に注目が集まってきている。病院、福祉施設、給食センター、飲食店…厨房環境の改善やコントロールの容易さなど、より良い厨房を目指した取り組みが進んでいる。これら電化厨房の事例をシリーズで紹介していく。 今回は「社員食堂」の事例を取り上げる。
 

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  聖隷三方原病院ESCO事業における省エネ実績の検証
 
 

大野 利幸

社会福祉法人 聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院

事務部 施設課 係長

 

  聖隷三方原病院は静岡県浜松市中区の北西域、北区を中心に、浜北区、天竜区を診療圏としている総合病院である。近年医療業界においても省エネが求められる時代となり、経営の観点からもLCC(ライフサイクルコスト)の低減、なかでもランニングコストの削減が病院設備に求められている。今回、燃焼式熱源をはじめとする建物竣工当初に導入した設備が更新時期を迎えたことから効率の高い電気式の空調熱源への更新をESCO事業(ESCO事業者:高砂熱学工業株式会社殿)にて計画~実施した。2011年度、2012年度の実績として16,000 GJ超の削減が得られ、計画を超える結果となった。(削減見込:14,736 GJ)本稿では主に電気式熱源へ更新した事で得られた実データーを中心に紹介する。
 

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