エレクトロヒートNo.185

 

  【巻頭言】
  「冷機器と食」 半世紀の進化の素晴らしさと想う事
 
  山方 茂利 
一般社団法人日本エレクトロヒートセンター 理事
(株式会社フジマック 営業本部 顧問)
 
   

 

 

【特集】生産プロセスにおけるエレクトロヒートシステム

     (塗装・乾燥・殺菌・洗浄など)

 
  高周波誘電加熱による印刷関連での乾燥
及びマイクロ波による薄膜シートの加熱
 
  浅見  忍
富士電波工機株式会社 第一機器部
 

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  自動車塗装ブース空調へのヒートポンプ導入
 
  松尾 満信 日野自動車株式会社
井守 正隆 日野自動車株式会社 
和泉   尚 東京電力株式会社
小池 俊彦 株式会社 大気社 
林   慶一 株式会社 大気社
石田 浩三 株式会社 大気社
 

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  ヨーグルト発酵工程への循環加温ヒート
ポンプ適用事例のご紹介
 
 

岩崎 篤彦
日本ルナ株式会社

生産本部 生産管理部長代行 兼 生産技術課長

 

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  ヒートポンプ式給湯機「キュートン」の導入事例
 
 

滝川  弘 
三菱重工業株式会社

冷熱事業本部 ヒートポンプ事業推進室 室長

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  最高給湯温度90℃を実現した分散配置型
循環加温ヒートポンプの開発
 
 

宮岡 洋一

中部電力株式会社 技術開発本部 エネルギー応用研究所 

都市・産業技術グループ 空調・熱供給チーム 研究主査

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  空気熱源温水ヒートポンプ『HEM-90A』の開発
 
 

下田平 修和
株式会社神戸製鋼所 機械事業部門 

圧縮機事業部 冷熱・エネルギー部 技術室

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  軟包装資材工場への熱風ヒートポンプ導入事例
 
 

深澤 篤志 
日本電技株式会社 産業ソリューション統括部

産業エネルギーソリューション課 課長 

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  乾燥熱源としてのヒートポンプシステムの活用
 
 

前田 宏幸
株式会社ショウワ 営業部 

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  超臨界CO2 を溶媒とした有機用フィルタの洗浄・再生技術
 
  伊藤 康孝 ダイダン株式会社 技術研究所
中野 一樹 ダイダン株式会社 技術研究所
 

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  【連載講座】  
 
   ヒートポンプ給湯Q&A
 
 

杉村 允生

株式会社Q研技術士事務所 

代表取締役 

 

 

 

 
 

新調理システムにおける品質と衛生管理について

~真空調理法各工程の説明と衛生管理ポイント~

 
 

加藤 和悦

有限会社カエツカンパニー
取締役社長

 

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  医療法人 宏和会 岡村記念病院
 
  浅井 耕一
株式会社マルゼン 営業本部 営業開発部 執行役員
 

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   【会員紹介】
 
  高周波誘導加熱式プレートヒータの製品化開発
 
 

川口 寛樹
熱産ヒート株式会社 技術グループ

 

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   【寄稿】
 
  -物の見方、考え方- 経営に生かす仏教哲学
 
 

青木 伸雄

 

 

 

 (以下概要)

 

 

【特集】生産プロセスにおけるエレクトロヒートシステム

     (塗装・乾燥・殺菌・洗浄など)

 
  高周波誘電加熱による印刷関連での乾燥
及びマイクロ波による薄膜シートの加熱
 
 

浅見  忍
富士電波工機株式会社 第一機器部 

 

  高周波誘電加熱とマイクロ波加熱は、電気部品、食品、自動車、建材、医薬品、セラミックス製造など多くの分野で利用されている。新商品・新材料の開発に加え、生産工程での電気使用量の見直し機運の高まりから、再度注目されている。シートの加熱・乾燥に格子電極式の高周波誘電加熱が活用されているが、これは熱風など従来方法に比べ加熱効率が高く、高周波誘電加熱の特長を活かした応用のひとつである。本稿では高周波誘電加熱の原理、電極・装置構成の説明、実用例として格子電極による印刷関係、特にビジネスフォームの糊乾燥用と水性インクジェット乾燥を紹介する。合わせて薄膜を対象とした半導体式マイクロ波電源による加熱の応用、ITO 膜・ZnO 膜・金属蒸着膜等の磁場加熱例や金属ナノインクを低温焼成した例も紹介する。
 

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  自動車塗装ブース空調へのヒートポンプ導入
 
 

松尾 満信 日野自動車株式会社
井守 正隆 日野自動車株式会社 
和泉   尚 東京電力株式会社
小池 俊彦 株式会社 大気社 
林   慶一 株式会社 大気社
石田 浩三 株式会社 大気社

 

   一般に、自動車製造における塗装工程のエネルギー使用割合は4 割を超え、CO2 排出量が最も多い工程である。塗装ブースでは、莫大なエネルギーをかけて外気空調を行っている。このエネルギー消費をできるだけ減らす目的で、塗装ブースの排気を再利用する排気リサイクルシステムが導入されている。このリサイクル空調には冷却エネルギーと加温エネルギーの両方の熱需要がある。従来の熱源は、冷却には吸収式冷凍機の冷水、加熱には蒸気が用いられていたが、リサイクル空調の熱負荷特性から冷温水同時取出型のヒートポンプが適用できると考えた。日野自動車は自動車塗装技術、大気社は自動車塗装設備の設計、東京電力は効率的なエネルギー利用といった、それぞれの強みを活かし知識を共有化させ、世界初となる自動車塗装の上塗ベースリサイクル空調にヒートポンプを採用し高い導入効果をあげた事例を紹介する。
 

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  ヨーグルト発酵工程への循環加温ヒート
ポンプ適用事例のご紹介
 
 

岩崎 篤彦
日本ルナ株式会社

生産本部 生産管理部長代行 兼 生産技術課長

 

  産業分野の製造工程において、室内温度を一定に保つ必要のある工程に対する加温方式としては、蒸気・温水・電気ヒータが多く採用されている。また稼働率の高い工程の場合、省エネ・環境負荷低減への対応及び、蒸気ボイラメンテナンス作業時の代替熱源の確保等の課題が多い。今回これらの課題解決のため、京都工場のヨーグルト後発酵工程において採用した「循環加温ヒートポンプと既存の蒸気による加温システムとのハイブリッド方式」について、その概要と実運用データから得られた評価結果を紹介する。
 
 

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  ヒートポンプ式給湯機「キュートン」の導入事例
 
 

滝川  弘 
三菱重工業株式会社

冷熱事業本部 ヒートポンプ事業推進室 室長

 

  ヒートポンプ給湯機は、家庭用を中心として市場に普及しつつあるが、外気温度の低下に伴い加熱能力が低下することから、北海道、北東北等の寒冷地、東北の日本海側や北陸等の寒冷多湿や降雪地では普及していないのが現状である。今回、当社は世界初となるスクロータリー式二段圧縮機の搭載+ガスインジェクションサイクルを採用した業務用CO2 ヒートポンプ給湯機の開発を行った。この給湯機の最大の特徴は、外気温が-7℃まで低下しても定格加熱能力を維持し、-25℃でも90℃の温水を出すことが可能である。また中間期COP は業界トップの4.30 を達成する。今回、富山(積雪の多い地域)での計測事例を紹介する。更に、富山以外の計測サイトでの加熱能力の評価など、寒冷地での実使用に対する信頼性評価結果についても紹介する。
 

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  最高給湯温度90℃を実現した分散配置型
循環加温ヒートポンプの開発
 
 

宮岡 洋一

中部電力株式会社 技術開発本部 エネルギー応用研究所 

都市・産業技術グループ 空調・熱供給チーム 研究主査

 

  工場の製造工程には、さまざまな加温処理があり、蒸気ボイラや温水ボイラ、電気ヒータなどの加熱機器が数多く用いられている。蒸気ボイラは一般に集中設置されており、加温が必要な場所まで長い配管を使って蒸気を搬送するため、配管等からの放熱ロスが多いことが課題となっている。また、電気ヒータはエネルギー消費量の低減が課題となっている。そのため、製造工程近傍に分散配置が可能な高効率加温機器として産業用ヒートポンプが開発され、導入例も見られるようになってきたが、お客さまからは循環加温水の高温化、ヒートポンプの高効率化、製造工程近傍の狭小スペースにも設置できるコンパクト化というご要望をいただいていた。本稿では、今回、最高出口温度90℃での循環加温運転を可能とし、COP3.5 *1 の高効率を達成した空気熱源式循環加温ヒートポンプ「CAONS 140 タイプ」*2を東芝キヤリア株式会社殿ほかと共同で開発したので報告する。
 

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  空気熱源温水ヒートポンプ『HEM-90A』の開発
 
 

下田平 修和
株式会社神戸製鋼所 機械事業部門 

圧縮機事業部 冷熱・エネルギー部 技術室

 

  当社は、このたび、空気熱源式で最高90℃の温水を循環加温で高効率に供給できるヒートポンプ『空気熱源温水ヒートポンプ(HEM-90A)』を開発した。工場や商業施設など温水や蒸気を多く使用する工程に当該機を採用することで、大幅な省エネが見込まれる。本稿では、HEM-90A の特長、高効率化技術、性能、導入効果について紹介する。
 
 

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  軟包装資材工場への熱風ヒートポンプ導入事例
 
 

深澤 篤志 
日本電技株式会社 産業ソリューション統括部

産業エネルギーソリューション課 課長 

 

  軟包装資材製造等のコンバーティング業界では印刷・ラミネートの乾燥に熱風を使用している。従来方式は蒸気ヒーターやバーナーで熱風を作っており、大量の化石燃料を消費している。業界の省エネ・経費削減の要望に対し、ヒートポンプを用いた乾燥システムを開発し、須田産業株式会社での実証試験をおこない、システムの安全性・経済性・環境性について検証した。またCO2 国内クレジット制度の助成金を活用し導入費用を軽減するとともにシステムのCO2 削減効果が認められた。
 

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  乾燥熱源としてのヒートポンプシステムの活用
 
 

前田 宏幸
株式会社ショウワ 営業部

 

  昨年、洗浄装置への液加熱源としてヒートポンプシステムのご紹介をさせて頂き、環境負荷軽減はもとより、省エネにも繋がるシステム提案として大きな飛躍を遂げる事ができた。現在パレット洗浄機において乾燥熱源として2 種類あり、ブロアファンを組み合わせ蒸気・電気ヒーターなどを利用して温風を作り出すのが一般的である。中でもボイラーによる間接過熱ヒーターを利用したシステムが圧倒的で電気ヒーター型は高ランニングコストがネックとなり少数に留まる状況である。そこで弊社ではボイラー導入後の問題点(メンテナンス維持費、環境負荷等)に着目し、熱風乾燥をボイラーレスで活用できる熱風ヒートポンプシステムを提案する。今回はパレット洗浄装置に関して活用方法を事例を交えて紹介したい。
 

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  超臨界CO2 を溶媒とした有機用フィルタの洗浄・再生技術
 
 

伊藤 康孝 ダイダン株式会社 技術研究所
中野 一樹 ダイダン株式会社 技術研究所

 

  電子デバイス工場などでは,有機用フィルタが外気処理や循環空気処理を目的として使用され,性能劣化すると廃棄されていた.当社では,超臨界CO2 という洗浄溶媒を用いて今まで再生できなかった使用済の有機用フィルタを再生する技術を開発した.この技術により,ランニングコスト・廃棄物量・CO2 排出量の削減が見込めると考えている.本稿では,超臨界CO2 再生技術の概要について紹介する.
 

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  新調理システムにおける品質と衛生管理について

~真空調理法各工程の説明と衛生管理ポイント~

 
 

加藤 和悦

有限会社カエツカンパニー
取締役社長

 

  現在は厨房環境の変化が著しい時代である。厨房機器の変化、調理システムの変化、これらの変化に対応するためには、ソフトが必要であるが、ハードが先行し、ソフトはついていってないのが現状である。
今回は、新調理システムのソフトの部分を取り上げ、品質と衛生管理についてシリーズで詳しく説明する。
 

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  医療法人 宏和会 岡村記念病院
 
 

浅井 耕一
株式会社マルゼン 営業本部 営業開発部 執行役員

 

  家庭用でIH クッキングヒーターの普及が進むなか、業務用でも電化厨房に注目が集まってきている。病院、福祉施設、給食センター、飲食店…厨房環境の改善やコントロールの容易さなど、より良い厨房
を目指した取り組みが進んでいる。これら電化厨房の事例をシリーズで紹介していく。今回は「病院」の事例を取り上げる。
 

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  高周波誘導加熱式プレートヒータの製品化開発
 
 

川口 寛樹
熱産ヒート株式会社 技術グループ

 

  当社は、各種工業炉、高周波誘導加熱装置、熱機材、現地熱処理工事の4 本の柱がある。工業炉では、溶融亜鉛メッキ用鉄釜加熱炉、電極予熱炉等様々な炉を設計・製作及び炉内温度範囲が厳しいものにも
対応し、技術の蓄積を行っている。高周波誘導加熱装置は、造船所で船のデッキ鋼板等の溶接歪を矯正するための溶接歪取用高周波誘導加熱装置(NETZ システム)や、配管溶接後に必要な応力除去熱処理
で利用する局部予熱・後熱用高周波誘導加熱電源(Hearts Heater)等、環境・安全に配慮した画期的な製品を開発し、今年度北九州オンリーワン企業にも認定された。熱機材については、各種ヒータの設計・
製作を行い、顧客のニーズに応えている。熱処理工事は、当社で設計・製作した高周波装置を同業他社にも販売しており、当社の設備と併せても400 台以上の実績がある。また、当社でも熱処理工事を行っており、温度条件が厳しいものでも、ヒータを研究開発し、一般的に高周波加熱では難しいと言われている材質でも高周波加熱で熱処理を行う技術を保有し、対応している。今後は、国内でのシェアを拡大していくことはもちろんのこと、海外への進出も目指している。
 

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