日本エレクトロヒートセンター

 

 

 

 

 

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エレクトロヒートNo.176

エレクトロヒート No.176

 

【巻頭言】
 
 
 

一般社団法人日本エレクトロヒートセンター 理事
財団法人電力中央研究所
栗原 郁夫

 

 

【特集】抵抗加熱システム(電気加熱特集Ⅲ)
 
 

田仲 功

株式会社リケン環境システム

熊谷事業所 取締役
熱エンジニアリング部 部長

低炭素社会のグローバル化を実現するために、リケン環境システムはEco Thermal Technology (エコ・サーマル・テクノロジー:ET2)を展開・推進します。抵抗加熱分野において、最新の熱流体解析技術や材料に関する基礎技術と加熱装置のノウハウを駆使することにより抵抗体(発熱体・ヒーター)とワークのマッチングを最適化し総エネルギー効率の向上を図るものです。 その結果を定量的にCO2 や、エネルギーコストをどの程度削減出来るか、スペースはどうか、温度分布の性能は期待される範囲内か等を数値化し提案していくものです。

 

 

 

新名 和貴

四国電力株式会社
松山支店 営業部 営業提案センター 技術サポート課

今回紹介する工場は、四国でプラスチックの成型・加熱・加工をされており、ボイラ蒸気による加熱工程(熱板ヒーター、温水槽、恒温槽等)が工場内で分散設置されている。また、生産量の増加等に伴い蒸気配管の延長を繰返したことで、蒸気配管系統が複雑になり、不必要な蒸気配管も一部残置されるなど、蒸気配管での放熱ロスが多く発生していた。一方、加熱工程側では、加熱工程停止時にも蒸気が投入されていたり、手動バルブで温度調整をしていたりと、加熱工程での熱ロスも多く発生していた。今回は、ボイラ蒸気による加熱工程を全て、電気ヒーターによる加熱に変更することで、蒸気配管や加熱工程の熱ロスの削減に成功し、年間約1,400万円(約39%)のコスト削減に繋がった事例を紹介する。 今回の事例を振り返ると、我々の想像以上に蒸気配管等の熱ロスは大きく、プロセス効率を高く保つには相当の努力が必要であると感じた。今回のように操作性、制御性、保守性に優れた電気加熱等を活用することで、大きな省エネ、CO2削減効果の見込まれる工場は多いと想定される。

 

 

 

菊池 荘員

坂口電熱株式会社

ビジネスセンター 経営戦略室 広報課
シニアアドバイザー 独立行政法人理化学研究所OB

近年、研究機関や産業界から抵抗加熱方式による高温で小型化、薄型化、高性能化の要望が多くなってきている。薄型で小型化にするために、ヒーターを面状にして高温に耐える適正な基板及び発熱体をいろいろ検討し、小型面状ヒーター「マイクロセラミックヒーター」を製品化した。シンプル面状構造なので、小スペースでの加熱源で均一な温度分布が得られ、温度センサーを内蔵することにより、さらに高精度な温度制御が出来る製品も商品化した。ヒーターは、クリーンで高純度な熱源を必要とするアプリケーション半導体製造装置・分析機器に最適で、短時間で高温に昇温できる製品になっている。

 

 

 

若狭 秀樹

三建産業株式会社 東京支社

牛山 博貴

東京電力株式会社 技術開発本部 技術開発研究所 商品開発第一グループ

自動車部品や建材などに用いるアルミの溶解およびアルミ溶湯の保持は、通常は燃焼バーナによる輻射加熱を利用することから、排気ガスの発生と熱エネルギーの損失が課題とされてきた。本商品は、炉に入れたアルミを電気式の浸漬ヒータで直接加熱することにより、高い溶湯品質を維持しつつ熱エネルギーの損失を抑えることができ、同等の燃焼式小型炉と比べてエネルギー消費量で約2割、CO2排出量約5割と、エネルギーコストの大幅な削減を実現した。 また、アルミ溶湯の循環プロセスを工夫することにより、アルミ溶湯表面温度と底面の温度差を少なくすると共に、アルミの連続溶解と保持を同時に行うなどの機能性も向上した。 更に排ガス処理が不要なため設備規模が3割程度小型化でき、お客さま要求仕様にあわせて一部をカスタマイズすることで、お客さまの製造ラインに適した商品を実現した。

 

 

 

杉浦 協司

浜松ヒートテック株式会社 プラントグループ開発チーム

竹下 裕市

浜松ヒートテック株式会社 プラントグループ開発チーム


アルミダイカスト製造業は我が国の基盤産業であり、技術・技能の伝承が課題となっているが、人材の確保が困難な状況である。製造現場で高温を扱う労災リスクの高い職場に起因し、作業環境の改善は人材の確保に直結する。本開発は製造現場の環境改善に貢献する「省エネルギーかつメンテナンスの容易なアルミ保持炉」を提供するものである。従来保持炉の①低い熱効率②多い酸化物発生③側面部のヒーター取付孔という課題を解決し、「アルミ溶湯中の液中加熱」による「省エネルギーでの運転」「少ない酸化物発生」「断熱性が高く比較安全なヒーター交換」を実現した『浸漬スラントヒーター型アルミ保持炉』を紹介するものである。同時にアルミダイカスト工場のBCP策定にも貢献するアルミ保持炉である。

 

 

 

河田 一喜

オリエンタルエンヂニアリング株式会社

研究開発部 取締役 部長
博士(工学) 技術士(金属部門)

従来のガス浸炭の長所を維持しながら短所を克服した環境対応高性能ガス浸炭炉(N-BBH)を開発した。その特徴は次のようになる。高効率断熱材,真空断熱構造,シミュレーション技術により短時間昇温と優れた温度分布を実現できる。浸炭速度が真空浸炭と同等以上に速い。装置・ランニングコストが安い。粒界酸化や表面不完全焼入れ層が従来の1/2以下に低減でき,仕上がり肌が光輝である。前室,加熱室の真空引き構造により安全性が高く,シーズニングが全く必要なく断続操業も可能である。雰囲気ガス使用量が少なく,CO2排出量が従来炉に比べて90%以上削減できる。撹拌,噴流,その他特殊油槽内機構により低歪を実現できる。

 

 

 

 

砂川 雅一

滝川工業株式会社
営業部 第二営業課 係長

洋菓子製造、特に微圧蒸気を併用する商品(プリンなど)の製造については、湯煎方式が一般的であるが、火傷などの労働災害、お湯を製造・供給するための設備とその管理等、ユーザー側から見ると安全面および費用面で色々とわずらわしい点があった。今回紹介するインテグラルオーブンは複数の熱源を使用することで、安全かつ安定した生産を可能としている。

 

 

 

門田 茂之

株式会社竹綱製作所 本社 第一営業 次長

あらゆる生産工程では常に一定した高品質が求められ、生産工程の一部としての加熱、乾燥工程において不可欠である熱風発生装置の要求も同様に高いものとなっている。また、生産工程だけではなく、最終の検査システムや研究開発関連の試験システムにおいては、恒温環境を確保するための、より高精度、高信頼性を求められる熱風発生装置が必要となっている。この要求に最近の低炭素社会をはじめとする環境問題、省エネルギー問題を含めた理想型の熱風発生装置として、送風気体を安全に効率よく、すばやく安定した高温に加熱できる電気式熱風発生機を紹介させていただく。

 

 

佐藤 一也

株式会社マイセック SE事業部 技術課 主任

石井 裕

株式会社マイセック SE事業部 技術課
 

弊社は生産工場の配管、タンク等の保温・加熱の手段として電気表面加熱システムの普及に40年前から携わってきた。今日に至るまでほとんどの工場では、重油ボイラーによるスチームトレースが主流で、工場の隅々までの保温・加熱の熱源となっている。年代の経過とともに数々の温度に敏感な新素材が開発され、耐熱温度に限りある樹脂製タンクや配管が普及し、許容温度範囲の限られた用途が増加した。今後CO2の削減・クリーンエネルギー・省エネの観点と原油高騰の影響等から、電気表面加熱は今まで以上に用途が広がるものと予測される。保温・加熱は物件毎に仕様が異なり、都度設計・施工となる。その中でドラムヒーターシリーズは容器形状がJISで規格化され、標準化を計ることのできる数少ない製品で、製薬・化学・自動車・塗装・食品等の広い分野で利用されている。また、危険場所で使用できる安全増防爆タイプのドラムヒーターも開発した。ここに200Lドラムヒーターの効率的な利用方法を示す。

 

 

【ヒートポンプ給湯講座】
 
 

株式会社Q研技術士事務所

代表取締役

杉村 允生

 

 

【特別寄稿】
 
 

町田 明登

株式会社前川製作所

技術研究所 副所長

当社は、産業用冷凍機メーカーとして、時代が要求するニーズに対応しながら冷却・加熱技術を進化させてきた。その中で、フロン冷媒がオゾン層破壊、地球温暖化への悪影響を与えていることにいち早く着目し、産業用冷凍・冷蔵、空調分野向けとして、1993年に多くの新技術の導入によって、高い安全性、信頼性、高性能化に進化したアンモニア冷凍機・ヒートポンプを開発して以来、二酸化炭素、炭化水素系、水、空気の自然冷媒を用いた冷凍機・ヒートポンプを業界に先駆けて開発、市場導入してきた。本報では、マイナス100℃~プラス100℃以上までの冷却・加熱をノンフロンで実現する技術「ナチュラルファイブ」について、その概要と開発事例を紹介する。

 

 

 

 

大柳 俊彦

三菱電機株式会社
冷熱システム製作所 営業部 産業冷熱営業課 課長

関野 知

三菱電機エンジニアリング株式会社
和歌山事業所 新事業推進センター システム営業技術課 課長代理

昨年三菱電機からサニーパックQの名称で親しまれてきた、70℃循環保温を可能とした給湯専用機CAH-P500CQ-Hのモデルチェンジを行い、CAHV-P500AK-Hの発売を行った。従来機種はR407C冷媒の中から高温を出すのに適しているR134aを分離し高温を出す回路を製品に組み込んでいたが、今回のモデルチェンジ機では冷媒の分離技術を止め、冷媒圧力を臨界温度近くまで上げることにより高温出湯を可能にした。さらには冬季の性能向上、DCブラシレスインバータスクロール圧縮機の採用を行い負荷変動による消費電力の低減をはかっている。また、循環加温型ヒートポンプは業務用エコキュートに比べ保温における性能が優位であることから、温泉の保温、プールの保温、工場用プロセスに用いる槽の保温、配管の保温などこれまで大規模で対応できていなかった施設などに対応範囲が広がるものと考える。今回この循環加温型ヒートポンプの特徴・システム事例の紹介を行う。

 

 

【会員紹介】
 
 

戸草 健治

日立アプライアンス株式会社
空調営業本部 商品企画部 部長

1990年代に導入された多くの熱源機がリプレース時期を迎えているが、搬入や設置の制約のため高効率な熱源機への切替の阻害要因となっている。そこで今回、リニューアル需要をターゲットにした大容量ながらコンパクトで年間高効率な空調用空冷・水冷熱源機を開発したので、本開発機の概要、特長について紹介する。

 
 
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