日本エレクトロヒートセンター

 

 

 

 

 

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エレクトロヒートNo.170

 エレクトロヒート No.170

 
 
【巻頭言】
 
 

一般社団法人日本エレクトロヒートセンター 理事
九州電力(株) お客さま本部 法人営業部長
渡邊 義朗

 

 

【特集】給湯分野におけるエレクトロヒートシステム
 
 

佐々木 正信

財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター
業務部 課長

現政権の極めて挑戦的な温暖化対策目標に対し、建物関連設備における現在および将来の温暖化対策効果が強く期待されているのが、ヒートポンプ技術である。特に家庭用・業務用・産業用の給湯需要(100℃未満の産業用温熱需要を含む)における世界のエネルギー消費量は莫大であり、そのほとんどを化石燃料の燃焼により賄っていることから、エコキュートを筆頭とするヒートポンプ給湯技術により、極めて大きなCO2排出量削減のポテンシャルが存在する。
 本報では、ヒートポンプの再生可能エネルギー定義など、本技術に関連した国内外の最新動向について紹介する。

 

 

 

橋本 英明

中部電力株式会社
エネルギー応用研究所 都市・産業技術グループ 研究副主査

近年、浴室やシャワーがあり快適性が求められる福祉施設やホテルなどの業務用施設では、蛇口を開くとすぐに熱いお湯が出る、循環加温による即時出湯のニーズが高くなってきている。しかし、電気式ヒートポンプ給湯機を用いた給湯システムでは、施設ごとに循環ポンプや昇温ヒータを設計・施工して循環加温に対応する必要があり、手間と費用がかかることから、小規模施設においては、ヒートポンプ式給湯機の採用が見送られることもあった。このため、小規模施設におけるヒートポンプ給湯機の普及促進に向け、あらゆる給湯機に適合する即湯ユニットを開発した。

 

 
 

田邊 智明

東芝キヤリア株式会社
給湯・温水設計部 業務用給湯機設計担当 主務

一日に60℃換算で最大40トンの湯を供給できる業務用ヒートポンプ給湯システムを商品化し、福祉施設、病院、ホテル、工場などでご使用いただいている。今回、独身寮と給食施設の導入事例について紹介する。独身寮では実使用データを取得し、機器が仕様どうりの性能で運転し、従来の燃焼式に対しCO2排出量とコストが削減されていることが試算できた。また給食施設のシステム本体が記録している運転履歴を分析した結果、現在よりもより最適な運転にすることが可能であることが分かった。

 

 

林 浩二

ダイキン工業株式会社
空調生産本部 商品開発グループ

弊社の社員寮に大容量業務用ヒートポンプ給湯システム『MEGA・Q』を導入し、2009年4月〜2010年1月にかけて運転状況を計測した結果を報告する。給湯負荷は平日と休日で異なる負荷パターンとなっており、給湯量についても季節によって変動が見られた。
熱源機の機器性能は実運転においても、弊社環境試験室での運転と同等の性能を発揮している。システムCOPについては、実測データをベースにしたシミュレーションにより、年間3.1程度と推測される。
上記結果から、CO2排出量は既存の電機温水器に比較して、1/3にまで削減可能で、燃焼式のボイラとの比較でも50%程度の削減が可能である。

 

 
 

米野 真之

パナソニック電工株式会社
配管機材事業部 企画開発グループ

業務用建物における洗面、入浴、洗浄など衛生用途で使用される給湯量は家庭用に比べると格段に多くなる。地球温暖化防止が叫ばれている昨今、この業務用の給湯設備をエコロジーの観点で見直すことは大切である。一般的に広く使われている化石燃料型給湯器から電気式ヒートポンプ給湯機に変更することで、CO2削減排出量の大幅な削減とコストダウンが可能となる。当社では特に給湯に相応しい自然冷媒式ヒートポンプ給湯機(業務用エコキュート)を開発し、業務分野(飲食、老人福祉、理美容など)でご好評頂いており、ここにご紹介する。

 

 
 

小山 彰

サイエンス株式会社
営業部 課長代理

地球温暖化対策が地球規模の課題になっている昨今、省エネ・二酸化炭素排出量の削減の有効な手段としてヒートポンプの有効利用が掲げられている。現在、空調や冷却設備としての役割から給湯や産業分野の加熱工程へと活躍の場を拡げているヒートポンプにあって最も有効な活用方法として冷温水同時取り出しヒートポンプがあげられる。今回は当社の冷温水同時取り出しヒートポンプの紹介と導入事例を紹介する。

 

 

 

森田 明夫

株式会社日本サーモエナー
ソリューション事業本部 クールアース推進部 技術課 課長

地球温暖化防止に向けた温室効果ガスの削減が非常に重要な社会情勢の中、業務用部門におけるエネルギー需要の中で、給湯用途が占める割合が比較的大きく、給湯機器や給湯システムの効率化により、地球温暖化対策に大きく貢献することが可能である。そこで注目を集めているのが高効率のヒートポンプ給湯機とコンパクトで高出力な燃焼式温水機を同じ給湯システムで組み合わせる高効率給湯システム「ハイブリッド給湯システム」である。そして今回更なる普及をめざし、予めヒートポンプ給湯機と燃焼式温水機、補機類を一つのケーシング内に収納したパッケージ型ハイブリッド給湯機「デュオキューブ」を開発した。従来の燃焼式温水機から「デュオキューブ」への移行が非常に簡単で、大幅な省エネルギー化が可能となる。

 

 
 

村田 博道

株式会社森村設計
取締役部長

ハイブリッド給湯システムは、高効率のヒートポンプ給湯機と加熱能力の高い燃焼式給湯器を組み合わせたシステムで、経済性と環境性から実用的なシステムといえる。しかし、経済性や環境性からヒートポンプ給湯機と燃焼式給湯機のそれぞれの能力を決定するにはピーク日の給湯負荷だけでなく年間の給湯負荷からシミュレーションによって決定する必要があり、そのデータ整備、シミュレーションプログラムの構築、計算手法や負荷特性に対応した適切なハイブリッドシステム構成などを設計者がゼロから構築するのは大変な負担となる。そのため設計者、施工者やメーカの参加するヒートポンプ研究会を設立し、年間の給湯負荷モデルを作成、シミュレーションの実施、負荷特性に対応した標準的システムを整理、その設計手法の検討等を行い、平成20年7月に「ハイブリッド給湯システム設計マニュアル」と「同解説編」としてまとめた。本稿はその設計マニュアルの概要を紹介する。

 

 

【ヒートポンプ給湯講座】
 
 

杉村 允生

Q研技術士事務所

代表取締役

 

 

【特別寄稿】
 
 

真壁 義孝

ヘレウス株式会社
ヘレウス・ノーブルライト部 赤外線ヒーター課

ほとんどの業界の生産工程には1サイクルから数サイクルの加熱、乾燥工程がある。環境対応型コーティング剤の増加、CO2削減、省エネ等と加熱、乾燥工程が改善を担う役割が大きくなっている。中波長レベル以上の赤外線ヒーターの採用で期待以上の改善された実例が多くある。本稿では、赤外線加熱の基礎、赤外線ヒーターの区分、および材料別のアプリケーションの実例を紹介する。

 

 

【会員紹介】
 
 

佐藤 正俊

株式会社コロナ
営業本部 住設営業部長

弊社は2001年4月、世界で初めて自然冷媒(CO2)を採用した家庭用自然冷媒CO2ヒートポンプ式給湯機 エコキュートを発売した。エコキュートは大気中の熱をヒートポンプユニットの熱交換器でCO2冷媒に集め、その冷媒をコンプレッサーでさらに高温にしてお湯を沸かすため、高い環境性と省エネルギー性を有する給湯機である。エコキュートは発売以来、生活環境や住宅環境、お客様のニーズに応じて常に進化しており、弊社のラインアップにおいてもデザイン性を重視した製品や省エネルギー性を追及した製品、リフォーム事情を考慮した製品等を開発し販売を行っている。今後も、CO2削減や低炭素社会実現に向け、ヒートポンプ技術を用いた製品の拡充を進める。

 
 
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