エレクトロヒートNo.165 | 日本エレクトロヒートセンター

エレクトロヒート No.165

巻頭言
 
 

一般社団法人日本エレクトロヒートセンター
理事 和田 弘道

 

【特集】最近の高効率冷凍機
 
 

奥田 誠一 (おくだ せいいち)

三菱重工業(株) 冷熱事業本部 大型冷凍機部 設計課 主席技師

当社三菱重工業は工場などで捨てられている熱を利用して、工場プロセスに有効な80℃の温水を連続的につくることができるターボ圧縮式の温水供給装置“ecoターボ温水ヒーポンETW”を開発した。本製品は暖房や殺菌、洗浄等のための加熱を目的として工場、プラント等で広く使われているボイラーの代替品として位置付けており、化石燃料を使わず電力だけで稼働するため、温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)の排出を大幅に削減でき、また省エネ効果により運用コストも大きく抑制できる。
温水出力は1トン/hボイラー相当で最大627kW、COPは温水出口温度80℃、熱源水入口温度45℃の場合で4.5と高効率であり油焚きボイラーと比較した場合CO2排出量は約71%、運用コストは約27%削減可能。

 

 

関 光一郎 (せき こういちろう)

東芝キヤリア(株) 企画本部 販促企画部

現在、地球環境問題への対応やリニューアル市場の増加などにより、熱源機の一層の高効率化、低コスト化、省スペース化が求められています。これらの市場ニーズに応えるため、東芝キヤリア㈱と東京電力㈱では、大胆な省スペース化を図りながら優れた省エネ性・コストパフォーマンスを実現した「スーパーフレックスモジュールチラー・Ⅴ(バリュー)タイプ」を共同開発。さらに、夜間電力が活用でき負荷平準化に有効で、史上最高の製氷運転エネルギー効率を達成した、氷蓄熱ユニット「スーパーフレックスモジュールチラー氷蓄熱システム」を発売しました。低炭素社会実現に向けて、省エネ性と多くの実績で定評がある「スーパーフレックスモジュールチラー」シリーズのラインアップをさらに拡大することにより、東芝キヤリアはお客様のエネルギーコスト低減のニーズにお応えし、業務部門のCO2排出量削減に貢献して参ります。

 

 

 

岡部 信也 (おかべ しんや)

日立アプライアンス(株) 空調営業本部 営業支援部 部長代理

世界的な地球温暖化防止の声が高まる中、ここ数年間で、電気で駆動する圧縮式ヒートポンプの高効率化(COPの向上)が飛躍的に進んできている。そのヒートポンプ技術の心臓部である圧縮機について、日立はこれまで、1933年;ターボ冷凍機第一号納入、1983年;世界初のスクロール圧縮機の製品化など、高効率型ヒートポンプ技術の開発に大きく携わってきている。これらの背景を受け、「高効率空調機導入補助事業」の対象機器を、最も多く有している。さらに昨今、「環境・省エネ」に関する多くの受賞(大臣表彰レベル)をしており、高効率空調機器の開発及び、普及を推進している。

 

下田平 修和 (しもだひら のぶかず)

(株)神戸製鋼所 機械エンジニアリングカンパニー

2003年に開発した「ハイエフミニ」は、エネルギー効率の高さとコンパクト性を高く評価され、累計出荷台数は560台を超えている。今回開発した「ハイエフミニⅡ」は、従来機(ハイエフミニ)の高効率化技術を活用しつつ、最適設計した高性能熱交換器によりエネルギー効率を向上させ、水冷スクリュチラーとしては業界最高となるエネルギー効率COP6.0を達成した。本稿では、「ハイエフミニⅡ」の概要と高効率を達成した新技術の特徴について紹介する。

 

 

 

寺島 巌 (てらしま いわお)

(株)前川製作所 製造本部ユニットプロダクツ部門

設計2グループ 係長

現在の冷凍設備は主に地球温暖化係数(GWP)が高い代替フロン(HFC)を冷媒に使用しているが、地球温暖化防止に向けて今後は自然冷媒(ノンフロン)化が求められる。当社では5つの自然冷媒(「Natural Five」)を用いて、冷凍システムの「省エネ化」かつ「ノンフロン化」に対する技術開発に取組んでおり、その成果として省エネ型のノンフロン冷凍機「NewTon3000」を商品化し2008年6月より販売開始した。
「NewTon3000」は、2008年度地球温暖化防止活動環境大臣賞、2008年日経優秀製品・サービス賞日経産業新聞賞を受賞し当社の地球環境への取り組みについての評価を頂くことができた。

 

 

 

青山 隆 (あおやま たかし)

荏原冷熱システム(株) 藤沢工場 技術業務部長

現在、ターボ冷凍機はCOP=6.0クラスが高効率型と称されているが、今回その上を行くCOP=7.0の超高効率型の開発を完了し発売目前となったので、開発機の概要、主な新技術、特長を紹介する。本冷凍機は、外観上1台の冷凍機であるが、内部は独立した2つの冷凍サイクルで運転する。実質2台の冷凍機をシリーズにつなげるのと同等の運転状態となる二重冷凍サイクルを採用している。また、インバータの標準装備と、冷媒にはオゾン層破壊係数(ODP)が0でありながら低圧冷媒であるHFC245faを採用することで、高圧ガス関連の法規制を受けないことを主な特長とする。

 

 

 

二宮 達 (にのみや とおる)

(株)東洋製作所 大和本社 研究開発部研究開発課

化学プラントや食品製造業等、多くの工場で大量の廃熱が排出されている。これら未利用廃熱の有効利用は企業の経済的メリットを生み出すだけでなく、地球温暖化抑制対策としても重要な課題である。今回当社と関西電力㈱は、廃熱活用の用途を広げるアイテムの一つとして排熱回収ヒートポンプ式蒸気・温水製造装置(商品名:Mr.エコ スチーム、電動機定格:30kW)を開発した。本装置は最高で120℃出力が可能であり、従来のヒートポンプでは達成できなかった蒸気製造(0.1MPaG)が可能である事を特徴としている。運転温度範囲は一般的なヒートポンプ装置と比較して非常に広い(排熱入口側=55~85℃、出力側=80~120℃)が、全域において安定した運転が可能であり、排熱側負荷変動に対する追従性も良好である事が確認できた。今後はモジュール化を基本とした省スペース化や制御系の最適化を進め、大容量廃熱への対応を強化する計画である。

 

 

小関 将充 (こせき まさみつ)

(株)イーズ 営業本部 事業開発部 主任

昨年秋よりハウス栽培用ヒートポンプ空調「アグリmoぐっぴー」(※)(7馬力相当機種)の販売を開始。実績のある「店舗・オフィス用エアコン」をベースに、逆転の発想と、ハウス栽培専用ならではの充実した機能を組み合わせて開発。室外ユニット筐体を使用したハウス内ユニットで圧倒的業界№1「暖房COP4.9」・業界唯一のフィルターレス室内ユニット・除湿専用機を上回る除湿量などを実現。重油焚きなどのボイラー加温設備に比べて、暖房時のランニングコストを約1/3に低減できるのが特長。

(※)「ぐっぴー」は、goodなpackage(パッケージエアコン)、goodなprice(価格)、goodなperformance(性能)を意味する「グッドなP」を表現。株式会社イーズの取扱商品である「エコミニぐっぴー(小容量氷蓄熱式パッケージエアコン)」、「換気moぐっぴー(省エネ換気機能付きエアコン)」に続く「ぐっぴーシリーズ」第三のラインアップとして、農業(agriculture:アグリ)の分野においても(mo)「ぐっぴー(グッドなP)」をご体感いただくことを目指す。

 

 

谷口 雅巳 (たにぐち まさみ)

(株)デンソー 空調冷熱技術1部開発室 グループリーダ

小型冷凍トラック向けの薄型冷凍機として高性能・高効率な次世代エジェクタサイクルを開発・製品化した。従来の中・大型トラック向け冷凍機のエジェクタサイクルに対してサイクル構成、減圧モジュール仕様、エバポレータ構造などを変更し新たに次世代エジェクタサイクルを構築した。本サイクルを組み込んだ冷凍機を搭載した冷凍車において、燃費の低減効果として冷凍機相当分の燃料消費量で従来冷凍機対比27%の低減効果が得られ、2tトラックでは車両全体の燃費にしても5%の燃費低減を実証できた。本システムは小型から中・大型トラック向けへのバリエーション展開も完了し、地球環境にやさしく、ランニングコストの安い製品として物流分野に大きく貢献できるものと考える。

 

 

 

野水 敏勝 ( のみず としかつ)

ツインバード工業(株) SC事業本部 常務取締役 副本部長
鈴木 壮志 (すずき たけし)

ツインバード工業(株) 開発生産本部 SC開発グループ 主事

スターリング冷凍機はコンプレッサー式(蒸気圧縮式)冷凍機にはない特徴を有する。冷媒に自然冷媒であるヘリウムガスを少量使い、断熱膨張の原理により冷却する。このため地球温暖化の原因である温室効果ガスを一切使わない環境に優しい冷凍機である。
当社は小型ながら量産型スターリング冷凍機FPSC(フリーピストン・スターリングクーラー)を世界に先駆けて開発、生産している。FPSCは深低温、小型軽量、精密温度制御、省電力、直流低電圧駆動などの特長を活かして、各種応用製品に幅広く活用されはじめている。

 

 

平野 直樹 (ひらの なおき)

中部電力(株) 技術開発本部 電力技術研究所

超電導グループ 超電導チーム 研究主査

従来技術の延長線上にない革新的な磁気冷凍技術による高効率でノンフロンな冷凍・冷却技術の実現が期待されている。磁気冷凍技術は、従来の気体の圧縮膨張を用いた冷凍方法とはまったく異なる、ある種の磁性体に磁界の変化を与えると温度が変わる現象を利用した冷凍・冷却技術であるが、1回の磁界変化による磁性体の温度変化幅が小さいため、この技術を実際にエアコンや冷蔵庫などに応用することは困難と考えられていた。最近、磁気冷凍に適した冷凍サイクルや磁性材料の開発の進展により、室温付近で動作する磁気冷凍システムの開発が国内外で進められており、2005年度からは室温磁気冷凍に関する国際会議も隔年で開催されるなど、注目が集まっている。わが国では国家プロジェクトとしても取り上げられ、数百W級の試作機による基本動作の検証や、COP:10を超える高効率化の実現可能性が示されている。室温磁気冷凍システム開発の現状を紹介する。

ヒートポンプ給湯講座
 

杉村 允生 (すぎむら みつお)

Q研技術士事務所

代表取締役

 

特別寄稿
 
 

川角 浩 (かわすみ こう)

日本獣医生命科学大学 応用生命科学部 実験動物学教室 講師博士(医学)
松永 敦 (まつなが あつし)

大北メディカルクリニック 院長
鷲巣 誠 (わしず まこと)

日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医高度医療学教室 准教授 Ph.D.
廣瀬 治男 (ひろせ はるお)

日本工業大学 名誉教授 工学博士
清川 晋 (きよかわ しん)

ナサコア株式会社 代表取締役 ミサト中央研究所所長 工学博士

9.8μm付近の遠赤外線を体全身に大量照射する装置を開発し、本装置による1日1回1時間程度の照射を2週間継続した結果、その被験者の平熱温度は35.1℃から1℃以上上昇し、また血行改善、免疫力の向上、腸内細菌叢の改善などを伺わせる体調の変化を確認した。さらに数名の被験者からも冷え性の改善を始めとした体調の改善報告を受けた。本波長による常温下での急速減圧乾燥法により春ウコンを乾燥したところ、市販乾燥春ウコンに比べ3.7倍のATP活性を認めた。さらに本乾燥法により乾燥した春ウコンおよびノニのオレイン酸による抽出食品を開発し、ヒト耳鼻科領域で用いたところ、抗生物質治療では治し難い中耳炎3症例を完治させ、また副鼻腔炎1症例を含む多数の症例において症状の改善を認めた。上記装置と本食品を併用した被験者には、血行促進および、腸内細菌叢の改善効果をもたらす可能性が認められた。本波長による外部加熱は人、植物を問わず共有されるミトコンドリア活性を高めることによって、同様に細胞の代謝活性を上昇させることが示唆される。